医師から肉親の危篤を告げられると、気持を取り乱すものですが、気持を落ち着けて、最後のお別れをして欲しい人にできるだけ早く連絡しなければなりません。 危篤の連絡は、まず家族に知らせます。次いで、おじ・おばなど三親等までの近親者、そして本人と特に縁の深い友人、勤務先・学校へ連絡します。ただ遠方に居住し、臨終に間に合いそうにない親族へは葬儀が決まってから連絡することも少なくありません。 連絡は緊急を要することなので、電話で知らせます。もし電話で連絡つかない場合は電報を打ちます。電文は「○○○キトク、デンワコウ」など簡潔な文にします。
臨終直後、近親者やごく親しい人へは、とりあえず亡くなったことを伝えます。また危篤の際、臨終に間に合わなかった方や、危篤の連絡で駆け付けてこられた方が帰られた後に亡くなられた場合は、それらの方々にも連絡します。これらの連絡は、葬儀の日取りを決める前に行います。
臨終の連絡は、危篤の場合よりも広い範囲にお知らせします。臨終から通夜・葬儀まで余り日数を置かないことが多いので、連絡は電話で行うのがよいでしょう。
故人と親しかった友人、勤務先や取引先、学校や関係団体など社会的な関係機関などへの連絡は、喪主、通夜、葬儀の日程が決まった段階で行います。連絡は死亡日時、通夜・葬儀の日程などとあわせて、生前のお付き合いを感謝するとともに、死去によるご迷惑へのお詫びも述べたいものです。
通夜や葬儀を自宅で行う場合は、町内会や自治会などへも連絡します。特に田舎では、町内会に講中(こうちゅう)という組織を作り、葬儀など協力して行うことも多いので、講中の世話役の方には臨終の時に連絡します。
訃報の連絡は喪家に代わって、親族や友人が分担していただくことも多いです。喪家との関係を述べ、故人の氏名、死亡日時・場所、死因、通夜・葬儀の日時・場所など必要な内容を要領よくお伝えしましょう。故人の交友関係が詳しく分からない場合は、親しい友人や勤務先の関係者から連絡してもらえるようお願いしておきましょう。
喪主さま遺族を代表して葬儀を主催し、会葬者・弔問客・僧侶の対応を行っていくことになります。原則として故人に最も近い血縁の人が務めることになりますが、高齢の方や幼児などには、喪主としての負担が重すぎますから、親族の中から後見人を選ぶケースが多いです。喪主の心構えとしては、故人の意思を尊重し、故人を送るにふさわしい礼法によって送ってあげることです。
通夜から葬儀にかけて、喪主さまの役割は葬儀段取りの打ち合わせ、親戚や僧侶への連絡、葬儀など儀式での挨拶、僧侶のおもてなしなど、多岐にわたりますが、実際には会葬者・弔問客・僧侶への対応等に集中して、あとの仕事は家族や親族などに依頼したほうが良いでしょう。
喪主さまは故人のおそばに付き添うようにして、あまり席を離れて挨拶にまわることはせず、たとえ弔問客が目上の人であっても玄関まで見送るのは避けるのがしきたりとなっており、この場合は失礼にあたりません。
弔問には丁寧に対応します。1人ひとりにだらだらと話し込むのは後に挨拶される人に迷惑になるので注意しましょう。お悔やみの言葉にも丁重に挨拶をして「ありがとうございます。故人もさぞ喜んでいると思います」などのように簡潔に礼を述べます。 死去の状況や死因については、故人と極めて親しかった人をのぞいて説明することは控えます。
葬礼の儀式は、通夜から葬儀・告別式に至るまでしきたりどおりに行うことになりますので、喪主さまやご遺族に代わって、葬儀を実際に運営し、遺族を助けて儀式を滞りなく進行していくための世話役が必要となります。
世話役は、故人の親戚か友人、あるいは会社の同僚、町内会の有志といった人たちに依頼するのが一般的です。自宅で執り行う葬儀などでは世話役は一人でも十分ですが、お寺や斎場などを借りる場合は、受付、接待、会計などの係で数名が必要となります。ただ、最近は、世話役を立てずに儀式を執り行う地域が増えています。
「こころのお葬式」では、家族葬から社葬まで、数多くの葬儀を執り行った経験豊かな葬祭カウンセラーがお客さまの心に耳を傾け、お気持ちをくみ取りながら、お葬式をお手伝いさせていただきます。お葬式が滞りなく進行し、喪主さま、ご家族の方がご故人さまとしっかりお別れができるようサポートいたします。
葬儀が終了した後は、事務的処理が山積しています。会葬者名簿、香典・供物などの記帳と整理、葬儀関係の会計簿と領収書類などについては、遺族が早急に世話役から、事務の引き継ぎをします。会計簿と領収書などは、収支を確認し、立て替えがあれば精算します。
また僧侶への謝礼(お布施)の支払いについては、葬儀万端が終了してから、まとめて払うのが一般的です。お布施の内訳には読経料、通夜・葬儀の謝礼、戒名料などが主で、これらをまとめて「御布施」として包みます。
喪主さまは葬儀でお世話になった方々へ、お礼の挨拶に出かけます。葬儀の翌日から遅くとも初七日までに、直接おうかがいしてお礼の挨拶をします。略式喪装か地味な平服でもかまいません。お世話になった世話役やお手伝いいただいた方々には、葬儀が終わった夜に食事でもてなし、きちんと現金あるいは記念品など謝礼をするようにします。近所関係の人々にも色々ご迷惑をかけていることもあり、お礼とお詫びの挨拶に伺いましょう。
どうしても直接お伺いできない方には電話でお礼を述べます。