葬儀というのは故人の成仏を祈るための宗教的儀式で、近親者だけで行われますが、告別式は故人のゆかりの人たちが別れを告げる儀式であり、友人や知人、近所の人たちも参列します。従って、本来は葬儀と告別式は別々に行われますが、近年では「葬儀式」と「告別式」が一緒に行われるようになっています。会場案内等に書く時には「葬儀ならびに告別式」というのが丁寧な表現になります。ここでは葬儀・告別式が同時に行われるケースの流れを記します。
参列する時は、開式の10分くらい前に着くようにし、最後の出棺までお見送りするようにしましょう。-
開式の10分くらい前に着くようにし、最後の出棺までお見送りするようにしましょう。遅刻したり、僧侶の読経が始まってから入室するのはマナー違反です。
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受付では簡単に弔意を述べ、香典を差し出し、会葬者芳名帳に記帳します。通夜などですでに香典を供えてあれば記帳だけします。携帯電話は電源を切るかマナーモードにしておくようにします。
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式場に入る時は先客に一礼し、案内された場所に座ります。席がない場合は邪魔にならない場所に立って待ちます。
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僧侶を迎えます。数珠を持参していたら手に持ちます。
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読経の時間はふつう30〜40分程度です。この間、参列者一同は静粛に読経を聞きます。
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最初に僧侶が焼香し、再び読経が行われる中で喪主、遺族、親戚の順に焼香していきます。案内されたら前に出て焼香します。
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故人と親しかった友人や同僚などが祭壇の前に進み、弔辞を読み上げます。弔辞の後には、司会者によって弔電が披露されます。
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ご遺族にお手伝いを頼まれたら、特別な事情がないかぎり、遺族の意を汲んで快く引き受けましょう。
お手伝いをする人の立場は、参列者側ではなく、ご遺族側になりますので、喪服を着用します。白黒のリボンや黒の腕章をつけることが多いようです。女性で通夜ぶるまいの準備を手伝う場合は、黒のブラウスやスカートなどの略礼装でもかまいませんが、エプロンを持参しましょう。色は黒か目立たない色のものを用意していきます。 -
読経終了後、司会者が閉式のアナウンスをします。僧侶が退場します。
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出棺前に、故人との最後のお別れをします。ご遺体のまわりを花で飾りますが、これを「別れ花」といいます。
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棺が霊柩車に移され、遺族、近親者らが火葬場へ出発します。故人と親しい間柄の特に関係の深かった方が希望されれば、同行できる場合もあります。手配の関係もありますから事前に遺族に申し出ておきましょう。
弔辞は生前故人と親しかった人たちが、霊前に永遠の別れを惜しむ言葉を捧げるものです。遺族は故人との関係を考えて、是非にと思う人に依頼するものなので、謹んで受けるのが礼儀です。普通、文章にしたものを朗読する形をとりますが、言葉で述べてもかまいません。 弔辞の内容は、故人の人柄や業績をたたえ、追慕と感謝の気持ち、残された者の決意などを述べ、最後に遺族への慰めと別れの言葉で結ぶのが一般的な形式です。 日常使う言葉で素直に、心をこめて故人に語りかける調子で述べ、故人とのつきあいを思い出しながら、ふさわしい内容を考えます。朗読時間の目安は3分程度にします。 ただし、次の点に注意しましょう。
(1) 死因などにかかわることは避ける。大げさな表現も使わないようにする。
(2) その人なりを偲び、哀悼の気持ちを具体的に述べるようにする。故人の失敗談、欠点は禁物。
(3) 忌み言葉を入れないように十分注意する。内容についてもさしさわりのないように吟味して話す。
(4) 故人の主義主張や宗派、派閥などに特徴的な人となりの場合は、その点も考慮した表現をとった方がよい場合もある。
弔辞は記念として遺族の元に残るので、丁寧に書きます。巻紙に薄墨で毛筆により書くのが正式ですが、市販の弔辞用紙もあります。また便せんに書く場合は白無地封筒に入れます。